大島支部 掲示板
- 2018年03月05日 (月)
- 【大島支部】
この記事は2018年3月に掲載されたものです。
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災害救援ひのきしん隊鹿児島教区大島支部隊は3月3日、4日に立教180(平成29)年の年度訓練を実施。初日の研修に続く2日目の実動では、名瀬港佐大熊地区佐大熊緑地内で水路沿いの斜面に、300mにわたって繁茂するガヤ(=萱、ススキ)の伐採、除去を行い、地元の方々に大変喜んでいただきました。
【ガヤ退治に至ったワケ】
名瀬湾西部の旅客船・巡視船・定期フェリーバースの向かい、湾の東部に位置する同港佐大熊地区は、平成17年に完成。貨物船や十島村(奄美と屋久島・種子島の間に位置する島々)と結ぶ貨客船が接岸し、貨物を扱う建屋やクロネコの営業所、LPガス貯蔵施設、金属リサイクル施設、ヘリポートが設けられています。この港地区と東側に広がる住宅地の間には、暴風、遮音などのための南北400m、幅20mほどの「佐大熊緑地」が設けられています。
ところが、港地区を整備したまではよかったのですが、その後の緑地維持に関する予算措置はなかったようで、手が入らぬまま木々や雑草が生い茂り、密林のようになっていきました。この状況に立ちあがったのが、地元で琉球舞踊を教える70代の女性。県大島支庁や市役所に何度も足を運び、ラチが開かないと分かると、自らチェーンソーを購入して、休みの度に早朝から密林と格闘。やがて数人の女性が加わり、4年がかりで林の反対側が見通せるまでに整備されました。
そうして残ったのが、緑地の東縁の水路に面した急斜面のガヤ。女性や高齢者ではとても手に負えず、何とかしたいと思いつつも、そのままになっていました。
ところが、このガヤと水路を挟み、南北に走る県道は市街地と空港とを結ぶバス路線。奄美空港に降り立ち、バスで名瀬市街に向かうお客さんが真っ先に目にする奄美市名瀬の〝顔〟は繁茂するガヤだったのです。
この地区を通る多くの人が、かつては密林のような様に胸を痛め、日に日に切り開かれて緑地公園らしくなるのを喜び、それが女性ボランティグループによるものと知って驚きました。そうなれば余計、13年手つかずのガヤが目についてきました。
災救隊大島支部隊の中にも、こうした思いを持つ人が少なくありませんでした。そこで危険を伴う企画にもかかわらず、今年度の訓練場所に決まり、関係機関の了解を得、当のボランティアの方々に声を掛けて、この日の実動となったものです。
【活動状況】
とは言いながら、斜面が急で、下は水路のため、舟で回収するかなどとアレコレ検討。転落防止のための安全帯の借用を災救隊本部に願い出ました。そして大島支庁の担当者とボランティアの皆さんには「やれるだけ頑張ります。全部はできないかもしれませんが」と、あらかじめお断りしての着手でした。
当日は心配されていた雨も上がり、絶好の日和で、参集した大島支部隊員は男子30名、女子班11名。用意したチェーンソー6台、刈払機19台、太枝バサミ、手鎌、ノコギリなどの資機材を現場に搬入し、点呼をとりました。
開会にあたっては、駆け付けたボランティアの方々と、共に活動してきた安田壮平市議が激励のあいさつ。さっそく足腰に自身のある面々は、腰の安全帯と道路脇のガードレールをロープで結び、刈払い機を手に斜面へ。生い茂ったガヤに埋もれるようにして切り開いていきました。
初夏を思わせる日差しで気温が25度まで上がり、汗だくになって奮闘。しかし昼過ぎになっても目処が立たず、「途中で打ち切るか!?」との声も。それでも頑張り抜き、午後4時過ぎには伐採をほぼ終了しました。
また、これと並行する散歩道に張り出した枝の剪定と搬出、緑地の県道側に積まれてあったボランティアの方々が半年ほどの間に剪定された樹木の枝や雑草などの除去も完了しました。搬出したのは4トン深ダンプで4回、2トンダンプで6回の多きに達しました。しかし斜面の刈草はほとんど搬出できず、現場に放置。4月29日の全教一斉ひのきしんデーの午前中に、再び重機とダンプ、若手の隊員を募って搬出することにしています。
活動中、多くの方が声をかけてこられました。いつも散歩に通るという方は「ジャングルのころはとても歩けんかったけど、いまは有り難い。ガヤを刈っていただいたら奥の道も歩ける」と喜びの声。佐大熊町の方は「県の仕事? ボランティア? 天理教さん!」と。通りすがりの人やジョギング中の人も次々と寄って来て「ずっと気になっていた」「ごくろうさま」「大変だから、そんなにキレイにせんでもいいよ」「天理教さんね!」「奉仕ね!」と、驚きと喜び、御礼の言葉をかけてくださいました。