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大田調布支部 掲示板

この記事は2018年3月に掲載されたものです。
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≪今月の講話≫ : 大美町分教会 稲葉美徳先生

【老いがあるからこその若い人の親孝行】

 老いとは歳を重ねた結果で、お正月が来れば「明けましておめでとう」と言います。しかし自分の力で歳を取れる人は居らず、歳は授けて頂くものなのです。いかに歳を重ねて顔の皺が増え、姿勢も変わって体力が落ちる現実であっても、歳を重ねる事は本当に苦しみなのでしょうか。

 親神様は陽気ぐらしをさせる為に人間を造られたという『元のいんねん』から考える時、歳を重ねて体力が落ちることを、どの様に受け止めたら好いのでしょうか。教祖の教えからすると、それは人間に陽気ぐらしをさせる為なのです。後から来る人に親孝行をさせたり、徳を積ませてお互いの運命を良くする為に、親神様は先を歩む人の体力を少しずつ落としてくださるのです。老いの意味を含めて、困ったことの意味を真剣に受け止めているのかと問うているのが、この度の春の大祭の真柱様のお言葉だと思います。

 例え体力で人を助けることは出来なくても、心で人を助けることは出来るのです。例え子供が居なくても理の親子があり、後から付いてくる人達に徳を積ませ、相手が勇んで人の為に働いてくれる様になる。それが相手に徳を積ませることになるのです。どんなに体力が無くなって支えてもらう立場になったとしても『ありがとう』の一言で陽気ぐらしが出来るのです。

【病の意味は助け合いへの手引き】

 なぜ親神様が人間に病を下さるのか。みかぐらうた十下りには『病の元は心から』とあります。この意味を理解するには、『陽気ぐらしの元のいんねん』が大切だと修養科一期講師で実感しました。

 修養科の私のクラスでは、特別な病気も無く元気で、三十年前から女手一つで子供達を育てて来た人が居られましたが、その方が突然に体調を崩し鬱になりました。真面目で努力家でね本当に素晴らしい人が、「何故、私はこんなに苦しい目に合わなきゃいけないの」と泣くのです。私は『病のもとは心から』の授業をする時に、貴方の心違いが悪いから病気になるとは言えませんでした。

 だけど、その人の話を聞いて分かりました。本当に良い人で、素晴らしい努力家だけど、女手一つで一生懸命に家族を養う立場なので、逆に家族に支えてもらうことが無いのです。どんなに良い人でも、親神様は独りぼっちで頑張るのではなく、家族が家族らしく、互いに助け合って暮らしてほしいから、身上を見せて陽気ぐらしへ導いて下さるのです。


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