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右京支部 掲示板

この記事は2022年8月に掲載されたものです。
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大江忠行(おおえ・ただゆき)布教部

今日、教会を出る時に、今日はひのきしんや、ひのきしんやからこんな格好ではだめやな、ジャージがいるなあ、あの道具がいるなあ、とそんな話をしてましたら、「今日はひのきしんはありません」と連絡が入りました。

皆さんはラッキー、と思われましたか。いや残念やなあ、と思われましたか。色々だと思うんです。

うちでは、「今日ひのきしんないんや、よかったなあ。私もよかったわ。先月しようと思って出来なかった神様のお掃除をしなあかんと思っていたので、お社まできれいに掃除をしよう。白衣を用意して待ってるわ」と嫁さんが言いました。そんなつもりやなかったのに、と思いましたが、支部のひのきしんは無かったけど教会の中のひのきしんが出来る、神様に喜んでもらうことが出来る、と思うと、私が思っているラッキーと嫁さんが思っているラッキー、信者さんが思っているラッキー、それぞれ違うんだな、と思いました。

今は小学校でいろいろな地域の役をさせてもらっています。その中の一つに小学校にある「放課後まなび」があります。私が教室で待っていると、入って来た子ども達が必ず私の頭を触ります。そして、「先生ベタベタや」と言うんです。私は、「先生の頭がベタベタなんじゃなくて、君らの手がベタベタなんや」とそんな話をします。

ある時、「先生、お母さん出ていってん」と頭を下げながら話してくれる子どもがいました。続いて、「でも、話してたらなんか気持ちええねん。先生に喋ってたらなんか気持ちがようなるねん」と言うんです。そして、「お父さんにお母さんが帰ってくるように話して」と3年生の子どもが言うんです。「なんで」と聞いてみると、「先生、いつもニコニコしてる。怒らあらへん」と言うんです。私はいつもニコニコしてるつもりはない、怒っている時もあるんですけど、そういう姿をみて心を開いてくれたということです。

泣きはしませんでしたが、沈んでいる気持ちを何とかしてあげたいと思い、その子に、「あんたが毎日学校に来てたらお母さん帰って来るから大丈夫や。そして家に帰ったら、『お母さんただいま』って言いや。お母さんいはらへんけどなあ、誰が聞いてくれてるかっていうたら、家の中が聞いてはるから。そして、一番聞いてるのはあんたやで。自分で出した言葉が倍返しになって耳で聞いてるんや。それが自分の心に貯金出来てくるんやで」と言いました。

子ども達には、「『おはよう』とか『ありがとう』とかそういう言葉はな、自分の心に貯金が出来てくるんやで」と話をしてあげます。その子はそれから毎日来るようになり、「お母さん、まだ帰ってきいひんねん」と話してくれるようになりました。私が「言ってるか」と尋ねると、「うん、『お母さん、ただいま』って言ってる」と答えてくれます。また、その子の妹も来てるんですが、お兄ちゃんが言ってるから妹も言うようになったそうです。

私たちに出来る事は本当に小さい事かもしれませんが、おたすけって何なんだろうなと思った時に、おてふりの「たすけ」の手は、最初は自分の方に掌を向けて、大きく手首を返して、最後は神様の方に掌を向けます。自分の心はこうだけど、しっかり神様に見て頂きます、という感じで手を振る。しっかり神様に見て頂くということが大事で、「たすけ」というのは自分の心から相手が喜んでくれるようなことをしていくことだと思い、子ども達には「がんばりや」という言葉を毎日掛けております。

最近、担任の先生が、いつも子ども達を励ましてくれているんですね、と言ってくれるようになりました。「当たり前のことですから、『がんばりや」とこれしか掛けてないんです」、と言いますと、「子ども達の心の支えになっているんですよ」とそんな言葉を掛けてくれました。

私たちはどちらかといえば信者さんとか内向きの「たすけ」の方が多いのですが、外に向けた「たすけ」というのもいろいろなところに出来てくるんだなと思った時に、今置かれている立場を有難いなと思う心で日々を通らせて頂きたいと思います。


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