天理教
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大圖子 篤志(おおずし・あつし)青年会委員長

今日は私の弟の体験談から、私が学ばせてもらったことを皆さんにも共有できたらと思いますので、この場をお借りしてお話しさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
私は5人兄弟の中の4番目、次男であります。そして、三男になる弟が今年の春、布教の家東京寮を卒寮して帰ってきました。昨年1年間は弟からよく電話がかかってきていて、布教の悩みや、おたすけについて話を色々聞いていました。

その中に、Nさんという女性がおられました。Nさんは重度の障害を持っておられ、電動の車いすがなければ、外に出ることもできないばかりか、言葉もうまく話せない方でしたのでコミュニケーションをとるのにも時間が掛かりました。ですので、支えてくれる人がいないと本当に生きていけない人でした。

Nさんは、生活保護や特別障害者手当などを受けておられましたが、とあることからその申請が通らなくなってしまい、役所とのやり取りを手伝ってほしいと弟が依頼を受け、Nさんの代わりに役所とNさんのお宅を通う日々が続きました。 Nさんとは言葉のやり取りが難しいので、Nさんの身の回りの世話をしているBさんと主にやり取りをすることになりました。ただ、Bさんからお願いをされていた事に、「天理教という名前を役所で出すとややこしくなるので、天理教という事は隠して、ハッピも脱いで、私の友人という事にして手続きをしに行って下さい」とだけ注意を受けていました。弟はおぢばの学校を出てからすぐ布教の家に入寮したので、行政のことなど全く分からず、よく私や家族に電話やLINEなどで話を聞いてくれと質問を受けていました。

そんなやり取りが半年以上続き、とうとう卒寮の日が迫ってきました。最初に、Nさんとは1年間の期限付きの関係になることを伝えてはいましたが、いざ別れが近づいてくると、最初は優しかったBさんは態度が変わって、「あなたが彼女を見放したら彼女は死ぬしかないんだよ」「彼女が死ぬのはあなたのせいだよ」と脅してくるようになりました。それに困った弟は、そのことを寮長先生に相談し、寮長先生の紹介でようぼくで弁護士をされている方にお願いすることになりました。

弟が弁護士の方に、NさんとBさんの事情を一通り説明するとその弁護士の方は、「お前はなんてことをしてくれたんだ。それは詐欺だぞ。お前は騙されてるんだよ」と強くお叱りを受けたというのです。

聞くと、障害者の給付金を狙った詐欺グループが裏で絡んでいたそうで、その手の詐欺グループからすれば、よくある手口なのだそうです。その弁護士さん曰く、「どうして『天理教』をおもてに出したらダメだと言われた時に君は断らなかったんだ。『天理教』の存在がダメだという方には私は何も出来ませんとどうして言えなかったんだ。君の血、骨、全部が天理教なのだろ。『天理教』が困るのなら何も出来ない。これは君がずっとハッピを着ていれば防げたことだと思う。本当のおたすけならハッピを着て役所に行けば良いことなんだ。でも実はそれが相手の1番嫌がることだったんだ。人の心を変えてくれるのは神様ではないのか。その神様を自分で隠してどうやって心を変えるというんだ。何でもたすけてくれる神様なのに、その神様のハッピを君が脱いでどうするんだ。優しさで動いているつもりでもそれは間違った優しさではないのか」とかなりきつくお叱りを受けたようでありました。

その言葉を弟から聞き、私自身ももの凄い衝撃を受けました。「おたすけ」をしているつもりでも、本当にそれが信仰者として正しい行いなのか。教祖が教えて下さった「おたすけ」なのか。せっかく50年もかけて教えて下さった「ひながた」があるのに、自分はそこから逸れた通り方になっているのではないかと自分を振り返るいい機会になりました。 もしかしたら、知らず知らずの内に自分も、「おたすけもどき」をしているかもしれないなと、改めて自分を振り返った時に思いました。本当に自分がしっかりと神一条の心を持っていないと、おたすけをしているつもりでも、おたすけどころか犯罪の片棒を担いでしまう。そんなことにもなってしまうんだと、今回のケースを通して思いました。

1日24時間ずっとハッピを着て生活はできませんが、心のハッピを脱いでる瞬間が自分にあったなと、弟の話を聞いて反省しました。 その後は弁護士の方が後を引き継ぎ、Nさんから詐欺グループは離れていったそうです。それも一つ、ご守護の形だなと思わせてもらいます。 只今の年祭は、教祖に成人した姿をもってお喜び頂く、その為の三年千日でありますから、せめてこの3年間は私自身、心のハッピを脱がずに教えからずれることのないよう精一杯通らせて頂かないといけないなと、弟の話から思わせて頂きました。共々にしっかりと通らせて頂きたいと思います。 拙い話ではありましたが、ご清聴ありがとうございました。


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